ホームページの制作方法は、公開後の運用まで考えて選ぶ。
ホームページを新しく作るとき、またはリニューアルするとき、「ノーコードで十分なのか」「WordPressを使うべきか」「コードで開発した方がよいのか」と迷うことがあります。
制作方法によって変わるのは、最初の費用や公開までの期間だけではありません。公開後に誰が更新するのか、必要な機能を追加できるのか、保守を誰が担当するのか、将来ほかの環境へ移行できるのかまで変わります。
大切なのは、知名度や流行だけで決めるのではなく、自社の目的と運用体制に合う方法を選ぶことです。
この記事では、ノーコードとコード制作の違いを整理したうえで、Studio・Wix・WordPress・Next.jsがどのようなケースに向いているのかを比較します。

ヒント
この記事で分かること・ノーコード、CMS、コード開発の違い
・Studio・Wix・WordPress・Next.jsの特徴
・初期費用だけでは判断できない理由
・自社更新、保守、拡張性を含めた選び方
・契約や制作依頼の前に確認したい項目
最初に決めたいのは「公開後に誰が何をするか」
制作方法を比較する前に、最初に次の3点を整理します。
1. 公開後、誰が文章や画像を更新するのか
2. 将来、どのような機能を追加する可能性があるのか
3. 保守、障害対応、バックアップを誰が担当するのか
短期間でシンプルなサイトを公開し、自社で更新したい場合は、ノーコードが候補になります。記事を継続的に発信し、WordPressを保守できる担当者がいる場合は、WordPressも選択肢になります。
一方、独自の管理画面、データベース、会員機能、外部サービス連携などが必要な場合は、Next.jsなどを使ったコード開発を検討する価値があります。
ヒント
選び方の基本「何で作るか」より先に、「誰が、何を、どこまで更新・管理するか」を決めると、候補を絞りやすくなります。
ノーコード・CMS・コード開発は、同じ種類のものではない
StudioとWixは、Webサイトの制作から公開・運用までを一つのサービス内で行えるノーコード系のプラットフォームです。
WordPressは、記事や固定ページなどを管理するCMSです。既存テーマやプラグインを組み合わせればノーコードに近い使い方ができますが、独自テーマや機能を開発する場合はコード制作になります。
Next.jsは、WebサイトやWebアプリケーションを開発するためのフレームワークです。Next.js自体がCMSやホームページ作成サービスというわけではなく、必要な画面、管理機能、データ連携などを要件に合わせて設計します。
| 選択肢 | 分類 | 制作・運用の基本 |
|---|---|---|
| Studio | クラウド型ノーコード | デザイン、CMS、公開環境などをサービス内で利用する |
| Wix | クラウド型ノーコード | サイト制作と各種ビジネス機能をサービス内で利用する |
| WordPress | CMS | サーバーへ導入し、テーマやプラグインを組み合わせて運用する |
| Next.js | コード開発 | 必要な画面、データ、管理機能、外部連携を個別に設計する |
どれか一つが常に優れているわけではありません。必要な機能、更新方法、予算、社内体制によって適切な方法は変わります。
Studioが向いているケース
Studioは、コードを書かずにWebサイトをデザインし、公開・運用できるWeb制作プラットフォームです。CMSを利用して、記事や実績などのコンテンツを管理することもできます。
向いているケース
・会社案内やサービス紹介を中心としたサイト
・キャンペーン用のランディングページ
・デザインを重視しながらノーコードで構築したい
・公開後の文章や画像を自社で更新したい
・サーバー構築などの技術的な管理を減らしたい
契約前に確認したいこと
・必要な機能が契約プラン内で利用できるか
・CMSで更新する項目と固定する項目
・フォームや外部サービスとの連携方法
・独自ドメインやSEOに関する設定範囲
・将来ほかの制作環境へ移る場合に取り出せるデータ
注意
ノーコードでできる範囲を確認するノーコードは「どのようなサイトでも簡単に作れる」という意味ではありません。サービスが用意している機能や仕様の範囲外では、設計変更や別サービスとの組み合わせが必要になることがあります。
Studioは、必要なページ構成と更新項目が整理されており、サービス内の機能で目的を満たせる場合に検討しやすい選択肢です。
Wixが向いているケース
Wixは、サイト制作に加えて、予約、ネットショップ、決済、マーケティングなどの機能を同じプラットフォーム内で利用できるWebサイト作成サービスです。
向いているケース
・自分でサイト制作と運用を始めたい
・予約やネットショップなど、用意された機能を利用したい
・ホスティングやセキュリティを個別に組み合わせたくない
・テンプレートやAI機能を制作の出発点にしたい
・一つの管理画面で複数の機能を扱いたい
契約前に確認したいこと
・必要な機能に対応する契約プラン
・予約、決済、ネットショップなどの対応範囲
・アプリや追加機能にかかる費用
・デザイン編集の範囲
・解約時や移転時のデータの扱い
注意
別環境への移行条件も確認する必要な機能が一つのサービス内にまとまっていることは利点ですが、後から別の環境へ移行するときに、デザインや機能をそのまま移せるとは限りません。契約前にデータの書き出しや移行条件を確認してください。
Wixは、既存の予約・販売・顧客管理などを活用しながら、自分でサイトを立ち上げたい人に向いています。ただし、必要な機能を追加していくと契約内容も変わるため、最初に月額・年額費用の全体を確認することが大切です。
WordPressが向いているケース
ここでは、WordPress.orgで提供されているWordPressをレンタルサーバーなどへ導入して運用する場合を扱います。
WordPressは、記事や固定ページなどのコンテンツを管理するCMSです。テーマでデザインを整え、プラグインで機能を追加できるため、ブログ、オウンドメディア、企業サイトなど幅広い用途で使われています。
向いているケース
・お知らせや記事を継続的に更新したい
・WordPressに対応できる担当者や制作会社がいる
・利用したいテーマやプラグインが明確になっている
・サーバー、バックアップ、更新作業を管理できる
・将来の改修をWordPressの仕組みの中で行う予定がある
契約前に確認したいこと
・WordPress本体、テーマ、プラグインの更新担当
・バックアップの対象、頻度、復元方法
・使用するテーマやプラグインの提供・更新状況
・不具合や競合が起きた場合の対応者
・サーバーとドメインの契約名義
・制作会社との保守契約に含まれる範囲
WordPressは、管理画面から記事を更新できる一方で、導入後も本体・テーマ・プラグインの更新やバックアップが必要です。更新担当が決まっていない場合は、自由度の高さがそのまま運用負担になることがあります。
注意
プラグインは必要なものだけを選ぶプラグインを増やせば必ず便利になるわけではありません。更新停止、機能の重複、プラグイン同士の競合なども考え、必要なものだけを選ぶことが重要です。
WordPressを自社で運用する場合は、対応するサーバーも必要です。料金だけでなく、利用できるプラン、バックアップ、サポート、移転方法を確認して選びましょう。例えば、さくらのレンタルサーバではライトプランはWordPressのクイックインストールと管理機能に対応していません。
Next.jsなどのコード開発が向いているケース
Next.jsは、Reactを基盤にWebサイトやWebアプリケーションを開発するためのフレームワークです。表示するページだけでなく、データ取得、更新処理、管理画面、認証、外部サービス連携などを要件に合わせて設計できます。
向いているケース
・独自のデザインや画面構成を実現したい
・管理画面やデータベース連携が必要
・会員機能、検索、予約、問い合わせなどを個別に設計したい
・ページやデータごとの公開条件を細かく制御したい
・将来の機能追加を見据えて構成を決めたい
・既存の業務システムや外部サービスと連携したい
発注前に確認したいこと
・公開後に管理画面で更新できる範囲
・開発後の保守とアップデートの担当者
・使用するデータベースや外部サービス
・ホスティング環境と毎月の運用費
・バックアップと障害時の復旧方法
・ソースコード、ドメイン、各サービスの契約名義
コード開発は、既存サービスの仕様に合わせるのではなく、目的に合わせて必要な仕組みを設計しやすい方法です。一方で、設計・開発・保守には専門知識が必要です。
また、Next.jsを使用しただけで、自動的に表示が速くなったり、安全になったりするわけではありません。画像、データ取得、キャッシュ、認証、公開条件、サーバー設定などを適切に設計・実装する必要があります。
ヒント
運用要件もコード開発を選ぶ理由になる独自機能が必要な場合だけでなく、「公開後の更新を管理画面だけで完結させたい」「下書きや公開権限を細かく分けたい」といった運用要件も、コード開発を検討する理由になります。
4つの方法を比較
一度に見比べやすいよう、ノーコードの2つと、CMS・コード開発の2つに分けて整理します。
ノーコード:StudioとWix
| 比較項目 | Studio | Wix |
|---|---|---|
| 基本 | デザインとCMSをサービス内で利用 | サイト制作とビジネス向け機能をサービス内で利用 |
| 自社更新 | 設定したCMS項目などを更新 | 設定した管理機能の範囲で更新 |
| 追加機能 | プランとサービス側の対応範囲を確認 | 提供機能・アプリ・プランを確認 |
| 公開環境 | サービスが提供する環境を利用 | サービスが提供する環境を利用 |
| 日常の管理 | コンテンツ・権限・契約の管理が必要 | コンテンツ・権限・契約の管理が必要 |
| 移行時の確認 | 持ち出せるデータと再制作が必要な部分 | 持ち出せるデータと再設定が必要な機能 |
| 向いている例 | デザイン重視の会社案内・LP | 提供機能を使う予約・ネットショップ |
CMSとコード開発:WordPressとNext.js
| 比較項目 | WordPress | Next.jsなどのコード開発 |
|---|---|---|
| 基本 | 導入して使うCMS | 要件に合わせて制作する枠組み |
| 自社更新 | 投稿・固定ページなど | 管理機能として実装した範囲 |
| 追加機能 | テーマ・プラグイン・個別開発 | 必要な機能を個別に設計・開発 |
| 公開環境 | 対応するサーバーなどを契約 | 構成に合わせてホスティング等を選定 |
| 日常の管理 | 本体・テーマ・プラグイン・サーバーの更新と保守 | コード・依存ソフト・公開環境の更新と保守 |
| 移行時の確認 | コンテンツ、テーマ、プラグイン、契約 | ソースコード、データ、外部サービスの契約 |
| 向いている例 | WordPressの運用体制がある情報発信サイト | 独自の管理機能やデータ連携が必要なサイト |
いずれも一般的な傾向です。料金、利用できる機能、データの持ち出し方はプランや制作範囲で変わるため、候補が絞れたら各社の最新情報を確認してください。
初期費用だけでなく、公開後の費用まで比べる
制作方法を選ぶときは、初期費用だけでなく、少なくとも数年間の運用費を確認します。
Studio・Wixなどのノーコード
・サービスの月額または年額料金
・独自ドメインの費用
・追加機能やアプリの費用
・制作を依頼する場合の制作費
・更新を外部へ依頼する場合の費用
WordPress
・レンタルサーバーとドメインの費用
・有料テーマやプラグインの費用
・制作・カスタマイズ費
・更新、バックアップ、セキュリティ対応などの保守費
・不具合や移転が発生した場合の対応費
Next.jsなどのコード開発
・要件整理、デザイン、開発の費用
・ホスティング、データベース、外部サービスの費用
・管理画面や独自機能の開発費
・フレームワークや依存パッケージの更新費
・監視、バックアップ、障害対応などの保守費
見積もりは「初期制作費」「サービス・サーバーの継続費」「更新や保守の作業費」「機能追加と移行の費用」に分けて比較すると、契約後の負担を把握しやすくなります。
注意
初期費用だけで決めない安く始められる方法でも、機能の追加で継続費が増えることがあります。初期開発費が必要な方法も、業務の内容によっては長期的な負担を減らせる場合があります。削減額を見込む場合は、具体的な作業時間や運用体制から判断してください。
迷ったときの選び方
目的と運用体制から、最初に検討する候補を整理します。
| 重視すること | 最初に検討する候補 | 最終確認 |
|---|---|---|
| デザインを重視した会社案内やLP | Studio | 更新項目と必要機能がサービス内で実現できるか |
| 予約、ネットショップ、決済などを自分で使う | Wix | 必要な機能と契約プラン、移行条件 |
| WordPressの仕組みで継続的に発信する | WordPress | 保守担当、サーバー、バックアップ |
| 独自管理機能、DB、外部連携 | Next.jsなどのコード開発 | 開発後の保守、契約名義、復旧方法 |
| どれが必要か判断できない | 制作会社へ相談 | 目的、更新担当、予算、将来追加したい機能を伝える |
記事を更新したいだけならStudioやWixの管理機能も候補です。更新頻度だけでWordPressに決める必要はありません。
ヒント
2〜3年後の運用も考える現時点で必要な機能だけでなく、2〜3年後に追加したい機能、社内の更新担当者、保守にかけられる時間まで書き出して比較してください。
契約・発注前のチェックリスト
・ホームページの目的を一文で説明できる
・必要なページを整理している
・公開後に誰が更新するか決まっている
・予約、決済、会員、検索など必要な機能を整理した
・初期費用と毎月・毎年の費用を確認した
・ドメインを自社名義で管理できる
・サーバーや外部サービスの契約名義を確認した
・バックアップと復旧方法を確認した
・セキュリティ更新の担当者を決めた
・解約時に取り出せるデータを確認した
・制作会社の保守範囲を確認した
・ソースコードやデザインデータの扱いを確認した
補足
分からない項目は契約前に確認するすべてを自社だけで決める必要はありません。ただし、分からない項目をそのままにして契約するのではなく、制作会社やサービス提供会社へ確認できる状態にしておくことが大切です。
まとめ
ノーコードとコード開発には、それぞれ適した使い方があります。
・Studioは、デザインを重視しながらサービス内で制作・運用したい場合
・Wixは、予約やネットショップなどの用意された機能を使って自分で始めたい場合
・WordPressは、記事管理の仕組みを活用し、更新・保守の担当も決まっている場合
・Next.jsなどのコード開発は、独自機能、データ連携、細かな公開条件、長期的な拡張を重視する場合
制作方法を先に決めるのではなく、目的、更新担当者、必要な機能、公開後の運用を整理してから選ぶことで、公開後の「思っていたものと違う」を減らせます。
自社に合う制作方法が分からない場合は、ページ構成、更新方法、必要な機能、公開後の運用まで含めてご相談ください。ノーコードで十分なケースと、コード開発が必要なケースを整理したうえでご提案します。
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※サービスの機能や契約条件は変わることがあります。契約前に各公式サイトで最新情報をご確認ください。(情報確認日:2026年9月24日)
